ジオパークの海
旨みの極み
浜坂地えびは、山陰海岸ジオパークの豊かな自然と、
漁師たちの技によって育まれた、まさに国宝級の食材です。
新温泉町には、地えびをはじめとする多彩な海の幸や、壮大な自然景観、歴史ある温泉など、五感を満たす魅力があふれています。
中でも、山陰海岸ジオパークは、地球の営みが刻まれた貴重な大地の記録。
断崖絶壁の海岸線や奇岩、波によって削られた洞門など、数百万年の地質の変遷を体感できる生きた地球の博物館です。
地元の食や文化、そして人々の暮らしもまた、この地質がもたらした豊かさの一部。
浜坂地えびの美味しさも、まさにこの山陰海岸ジオパークの恵みから生まれています。



ここにしかない
景色
山陰海岸ジオパークは、京都府京丹後市から鳥取県鳥取市に至る東西約110km、南北最大30kmに及ぶ広大な地域です。
日本列島がアジア大陸から分離し、日本海が拡大する過程で形成されました。約2500万年前、大陸の一部だったこの地域では、火山活動が活発化し、多くの火山岩が生まれました。
その後、日本海の拡大と地殻変動が始まり、この動きに伴って複雑な地形が形成されました。
さらに長い年月をかけて、波や風による侵食作用や堆積作用が繰り返され、リアス海岸、海食崖、洞窟、砂丘など、現在の多様な景観が形作られました。
                        山陰海岸
ジオパークで
とれる
主な
魚介類
                    春
ホタルイカ
サワラ
マアジ
夏
イサキ
シロイカ
(ケンサキイカ)
秋
ハタハタ
マサバ
カマス
冬
松葉がに
ブリ
美味しさの
ヒミツは豊かな
漁場にあり
山陰海岸ジオパーク沖、水深300メートル以下の深海には水温0~1度で溶存酸素が豊富な「日本海固有水」と呼ばれる、低温かつ酸素に富んだ海水層が広がっており、これは多くの魚介類にとって理想的な生息環境を提供しています。
さらに、その上層を温暖な対馬暖流が流れ込むことで、冷水と暖水が交わる栄養豊富な環境が形成され、さまざまな種類の海の幸が集まる場となっています。
加えて、この地域の海底は日本列島が大陸から分離する際に形成された、起伏に富んだ複雑な地形をしており、岩礁や谷、棚などが点在。これらが魚たちにとっての「すみか」と「餌場」の両方を兼ね備えているため、豊かな生態系が維持されているのです。
栄養満点の環境でストレスなく育った地えびたちは、立派に肥え太り、プリプリなその身には、甘みや旨味を凝縮させています。



漁獲と
流通の匠の技
浜坂港は、山陰海岸ジオパークの豊かな海に面し、四季を通じてさまざまな魚介類が水揚げされる拠点です。
港に着いた魚介類は、選別・箱詰め・保冷処理などの工程を、わずか数時間のうちに職人たちが連携して実施します。
中でもさえびやがらえびは非常にデリケートで傷みやすい食材であるため、遠方に出荷することが困難でした。
地元でしか味わえないため、幻のえびとも呼ばれています。
また、漁獲量が極めて少なく入荷すること自体が稀なおにえびやすじえびにも、運が良ければ出会うことができるかもしれません。
浜坂で水揚げされるえびの中でも、特に人気が高いのが甘えび(ホッコクアカエビ)です。
従来の冷凍や保管方法では風味や食感が損なわれてしまうこともありましたが、浜坂ではその鮮度を保つために、水揚げ後、瞬時に「プロトン凍結」と呼ばれる急速冷凍技術を用い、細胞を壊さずに凍結。
これにより、まるで獲れたてのような食感と味わいを保持したまま、出荷することが可能となりました。
さらに、地域内の加工業者や仲買人たちも、食材の価値を最大限に引き出す「目利き」や「扱い方」の技を代々受け継ぎ、日々磨き上げています。
今では浜坂地えびグルメとして、活えびを提供する施設もあり、世界中のお客様に美味しい地えびグルメを提供しています。


